石川県能登町の巨大なスルメイカ「イカキング」は、コロナ関連の地方創生臨時交付金2,500万円が使われたことで大きな注目を集めました。
naru最初はギョッとしましたが、見てるうちに愛着沸いてくるから不思議です~w
一方、その後には「約6億円の経済効果があった」と公表され、本当に税金の無駄だったのか気になっている人も多いでしょう。
ただし、この約6億円はイカキングが直接稼いだ売上や利益ではなく、観光消費などが石川県内の産業へ広がった経済波及効果です。
この記事では、能登町の公式資料をもとに、イカキングが作られた理由、2,740万円の事業費と交付金の関係、約6億円と約18億円という数字の意味を整理します。
さらに、能登半島地震後の状況や2026年現在のアクセス・営業情報、地域ブランドとして続く新たな活用まで、イカキングをめぐる疑問をまとめて分かりやすく解説していきます^^
能登町のイカキングとは?結論からいうと「イカの駅つくモール」にある巨大スルメイカ


能登町のイカキングとは、石川県能登町の「イカの駅つくモール」周辺に設置された、全長13mの巨大なスルメイカ型モニュメントです。
単なる巨大オブジェではなく、能登町の特産であるイカを観光資源としてPRし、観光客を呼び込むことを目的に整備されました。
口の中に入ったり、長い触腕と絡んだりしながら写真を撮れるため、「見る巨大イカ」というより、体を使って楽しめる撮影スポットと考えるとイメージしやすいでしょう。
全長13m・幅9m・高さ4m、重さ約5tの巨大モニュメント



イカキングの特徴をひと言で表すなら、とにかくサイズが大きいこと!
能登町観光ガイドでは全長13.0m、幅9.0mと案内されており、製作・施工を担当した吉田宣伝の公開実績では高さ4m、重量5tとされています。
一般的な乗用車を何台も並べたような長さがあるため、現地で見ると写真から受ける印象以上の存在感があります。
構造は内部に鉄骨を使い、外装にはFRPと呼ばれる繊維強化プラスチックが使われています。
FRPは、大型の立体造形物や遊具などにも使われる素材で、複雑な形を作りやすいのが特徴です。
高さ4mと重量5tについては能登町観光ガイドではなく、製作会社が公開している実績情報に基づく数値です。
| 項目 | 確認できる内容 |
|---|---|
| モチーフ | スルメイカ |
| 全長 | 13.0m |
| 幅 | 9.0m |
| 高さ | 約4m |
| 重量 | 約5t |
| 主な構造 | 内部は鉄骨、外装はFRP |
| 設置場所 | 石川県能登町「イカの駅つくモール」周辺 |
| 設置時期 | 2021年3月末 |
また、イカキングは柵の外から眺めるだけのモニュメントではありません。



巨大な口の中へ入って「イカに食べられている」ような写真を撮ったり、触腕に絡まれているようなポーズを取ったりして楽しまれてます♪
まるで巨大イカそのものを遊具にしたような設計で、観光地の記念撮影スポットとして使いやすい造形になっています。
なぜ能登町に作られた?目的はイカのPRと観光誘客
↑冬のイカキングさん。
イカキングが能登町に作られた理由は、巨大なオブジェを置くこと自体が目的だったからではありません。
能登町の特産であるイカを観光資源として発信し、イカの消費拡大と観光誘客につなげることが行政上の目的でした。
能登町の地方創生臨時交付金に関する事業実績では、イカキングを整備した事業は「観光施設魅力向上事業」とされています。
つまり、イカキングは町の特産品を巨大なシンボルに変え、それ自体を「能登町へ行く理由」にしようとした観光施策だったわけです。



実際、後に行われた来訪者調査では、「イカの駅つくモール」を訪れた人のうち約45%がイカキングを来訪目的として回答しています。
この数字だけで施策全体の成否を断定することはできませんが、少なくとも巨大モニュメントそのものが観光の目的地として機能したことを示す材料にはなります。
イカキングは「巨大なイカを作った」という話だけを見るより、能登町の特産品を観光の入口へ変えるために作られた施設と理解すると、その目的が分かりやすくなります。
イカキングになぜコロナ交付金2,500万円を使ったのか?
能登町がイカキングにコロナ関連の地方創生臨時交付金を使った理由は、コロナ禍後の観光誘客を通じて地域経済の回復につなげるためです。
町はイカを観光資源としてPRし、消費拡大と観光客の増加を狙う事業として巨大モニュメントを整備しました。
一方で、「感染症対策のためのお金で巨大イカを作る必要があったのか」という疑問が生まれやすい事業だったことも、あわせて押さえておく必要があります。
総事業費2,740万円の財源と事業目的
能登町の公式資料によると、イカキングを含む観光施設魅力向上事業の総事業費は2,740万円です。
財源のうち2,500万円には「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」が使われ、残る240万円はその他の財源でまかなわれました。
事業期間は令和2年10月から令和3年3月までで、2021年3月末にイカキングが設置されています。
| 項目 | 金額・内容 |
|---|---|
| 総事業費 | 2,740万円 |
| 地方創生臨時交付金 | 2,500万円 |
| その他財源 | 240万円 |
| 補償費 | 45万円 |
| 工事請負費 | 2,695万円 |
| 事業名 | 観光施設魅力向上事業 |
| 主な目的 | イカのPR、消費拡大、観光誘客による地域経済の回復 |
ここで注意したいのは、「2,500万円がそのままイカキング本体の購入価格だった」と単純化しないことです。
公式資料では総事業費の内訳として補償費45万円と工事請負費2,695万円が示されていますが、モニュメント本体だけの価格を独立して示した内訳ではありません。
そのため、「2,500万円の巨大イカを買った」と表現すると、実際の事業費と交付金の関係を正確に伝えられません。
行政がこの事業で狙ったのは、コロナ禍で落ち込んだ地域に観光客を呼び戻し、飲食や観光など周辺の消費につなげることでした。



言い換えるなら、巨大なイカそのものを売って利益を得る事業ではなく、人を呼び込む「看板」のような役割を期待したものといえるのではないでしょうか。
税金の使い道をめぐる賛否と能登町の事業評価
イカキングが注目された大きな理由の一つは、コロナ関連の交付金を使って巨大モニュメントを整備したという意外性です。
医療や生活支援を連想しやすい時期だっただけに、「なぜ巨大イカなのか」と疑問を持つ人が出るのは自然でしょう。
一方、能登町の事業評価を見ると、町はコロナ禍後を見据えた観光誘客によって地域経済を回復させる施策として位置付けています。
整備後にはメディアへの露出が増え、休日を中心に町内外から観光客が訪れ、撮影スポットや遊具のように利用されたことも評価として記載されています。
さらに外部委員からは、宣伝効果や誘客効果を評価する趣旨の意見が示された一方で、高額な整備費や今後の維持管理を懸念する趣旨の意見も出ています。
つまり、行政側の資料を読んでも「巨大イカを作ったから無条件に成功」と結論付けているわけではありません。
観光客を呼べたことと、2,740万円という事業費が妥当だったかどうかは、分けて考える必要があります。
そして、この費用対効果を判断するうえで重要になるのが、能登町が後に公表した「約6億円の経済波及効果」です。
ただし、この約6億円にも大きな注意点があり、能登町が6億円を売り上げたという意味ではありません。
コロナ交付金2,500万円の是非を考えるには、「巨大イカにいくら使ったか」だけでなく、「何を目的に使い、その後どのような効果が算定されたのか」までセットで見ることが大切です。
イカキングの経済効果「約6億円」は本当?数字の意味を検証


能登町が公表した「約6億円」という数字は実際の調査に基づくものですが、イカキングが6億円を売り上げたという意味ではありません。
正確には、イカキングを目的に訪れた観光客の消費などが石川県内のさまざまな産業へ与えた影響を計算した「経済波及効果」です。
2,500万円の交付金と6億円という数字だけを並べると約24倍の利益を生んだように見えるため、算定方法まで確認することが重要かも(^^;
約6億円は売上ではなく石川県内への「経済波及効果」
能登町が公表したイカキングによる経済波及効果は、約6億円です。
調査報告書では、観光需要の増加による経済波及効果が594,445,293円、建設による経済波及効果が9,276,277円と算定されています。
この2つを合わせると603,721,570円となり、町は分かりやすく「約6億円」と公表しています。
| 算定された効果 | 金額 | 意味 |
|---|---|---|
| 観光需要増加による経済波及効果 | 594,445,293円 | 来訪者の旅行消費などが県内産業へ波及した効果 |
| 建設による経済波及効果 | 9,276,277円 | 整備工事によって県内産業へ波及した効果 |
| 合計 | 603,721,570円 | 能登町が「約6億円」として公表した経済波及効果 |
ここでいう経済波及効果とは、観光客がお金を使ったことで、そのお金が飲食店や宿泊施設、仕入れ先などへ次々と広がっていく影響を数字にしたものです。
たとえば観光客が飲食店でイカ料理を食べると、飲食店だけでなく食材の仕入れ先や物流などにも需要が生まれるため、その連鎖まで含めて計算します。
水面に石を投げたときに波紋が外側へ広がるように、観光消費が地域の産業へ広がっていくイメージです。
この計算には石川県産業連関表が使われています。
産業連関表とは、ある産業の需要が増えたときに、ほかの産業へどれほど影響するかを分析するための統計資料です。
そのため「イカキングが6億円稼いだ」「能登町に6億円の利益が入った」「6億円の税収が増えた」と理解するのは正確ではないように思えます。
今回の約6億円は、能登町だけではなく石川県内全体への波及効果として算定された数字です。
また、イカキング単体の売上高や利益、税収については、今回確認できた公式資料に独立した数値は示されていません。
つまり約6億円という数字自体は町の調査結果に基づいていますが、「2,500万円を使って6億円を直接稼いだ」という説明に置き換えると意味が変わってしまいます。
来訪者データから約6億円を算出した仕組みと約18億円の広告効果
では、イカキング目的の観光客がどれくらいいたのかを、能登町はどのように推計したのでしょうか。
調査では来訪者アンケート439組が集計され、同行者を含めると1,125人分の回答が分析されています。
来訪目的の内訳では、イカキングが約45%、イカ料理が25%、アクティビティが23%、その他が7%でした。
| 来訪目的 | 回答割合 |
|---|---|
| イカキング | 約45% |
| イカ料理 | 25% |
| アクティビティ | 23% |
| その他 | 7% |
さらに、2021年4月から2022年7月までの16か月間に「イカの駅つくモール」を訪れた人は164,556人でした。
能登町の調査報告書では、アンケート結果をもとに、そのうち73,652人をイカキング目的の来訪者と推計しています。
その来訪者による旅行消費などを産業連関分析に当てはめた結果、観光需要増加による約5億9,400万円の経済波及効果が算定されました。
つまり、6億円という数字は巨大イカそのものに値札を付けた結果ではなく、アンケート、来訪者数、旅行消費、産業連関分析を組み合わせて導き出されたものです。
能登町はこれとは別に、イカキングの広告・パブリシティ効果を約18億円と算定しています。
こちらは国内テレビでイカキングが取り上げられた放送時間を、同程度のテレビ広告を出した場合の料金に換算した数字です。
約18億円も現金収入や売上ではなく、テレビ露出を広告価値に置き換えた推計額です。
町の公表内容では、新聞、ラジオ、雑誌、Web、海外メディアなどの露出はこの約18億円の計算に含まれていません。
約6億円と約18億円は、そもそも測っているものが異なるため単純に足して「24億円儲かった」と表現することもできません。
| 数字 | 何を表しているか | 売上・利益か |
|---|---|---|
| 約6億円 | 石川県内への経済波及効果 | いいえ |
| 約18億円 | 国内テレビ露出の広告・パブリシティ効果 | いいえ |
| 2,500万円 | 地方創生臨時交付金として使われた金額 | 事業の財源 |
イカキングの費用対効果を見るときは、「2,500万円対6億円」という刺激的な数字だけではなく、それぞれ何を意味する数字なのかを分けて理解することが大切になりますね。
能登半島地震後のイカキングは現在どうなっている?
2026年8月時点でも、イカキングは能登町の公式観光情報に掲載されており、現在も能登町の観光資源として扱われています。
一方、2024年の能登半島地震では「イカの駅つくモール」周辺も津波の被害を受け、その後は段階的に施設の再開が進められてきました。
震災前の情報だけを頼りに訪問するのではなく、営業時間や利用したいサービスの最新状況を確認してから向かうのが安心です。
地震・津波による被害とイカの駅つくモールの再開状況
2024年1月1日に発生した能登半島地震では、能登町にも大きな被害が発生しました。
北陸朝日放送の報道によると、津波は「イカの駅つくモール」にも到達し、建物内部は約50cm浸水したとされています。
イカキングも津波を受けたと報じられています。
これらの被害状況は報道機関による二次情報であり、今回確認できた資料ではイカキング本体の専門的な構造点検結果や具体的な補修費用までは確認できませんでした。
そのため、外観から無事だったように見えることと、専門的な被害状況を断定することは分けて考える必要があります。
その後は復旧が進み、北陸朝日放送の2025年の紹介では、2025年4月にレストランや遊覧船が再開したと報じられました。
| 時期 | 確認できる主な動き |
|---|---|
| 2024年1月1日 | 能登半島地震と津波が発生 |
| 震災直後 | つくモール内部が約50cm浸水したと報道 |
| 2025年4月 | レストランや遊覧船が再開したと報道 |
| 2026年8月時点 | 公式観光情報でイカキングの案内が継続 |
2026年8月10日時点では、能登町観光ガイドにイカキングの観光スポット情報が引き続き掲載されています。
つまり、震災を経験した現在も「過去に存在したモニュメント」になったわけではなく、能登町を代表する観光資源の一つとして情報発信が続いています。



能登町は2026年7月29日更新の公式案内で、イカキングのキャラクターデザインを4種類公開しています。
商品化などの商用利用は申請制とされており、観光スポットとしてだけではなく、地域ブランドとして民間活用を促す動きも進められています。
設置当初の「コロナ交付金で作られた巨大イカ」という話題だけでなく、震災後も地域の観光やブランドづくりに使われ続けている点が2026年現在のイカキングを知るうえで重要です。
2026年現在のアクセス・営業時間・訪問前に確認したいこと
イカキングを見に行く場合は、「のと九十九湾観光交流センター イカの駅つくモール」を目的地にすると分かりやすいです。
所在地は石川県鳳珠郡能登町字越坂18字18番1です。
施設公式アクセスページでは、金沢方面から車で約2時間、のと里山空港から約40分と案内されています。
| 項目 | 公式情報で確認できる内容 |
|---|---|
| 施設名 | のと九十九湾観光交流センター イカの駅つくモール |
| 所在地 | 石川県鳳珠郡能登町字越坂18字18番1 |
| 営業時間 | 9:30~17:00 |
| 定休日 | 水曜日 |
| 普通車駐車場 | 65台 |
| 大型車駐車場 | 2台 |
| バリアフリー駐車場 | 3台 |
| 金沢方面から | 車で約2時間 |
| のと里山空港から | 車で約40分 |
施設公式ページでは通常の営業時間を9:30~17:00、水曜定休と案内しています。
一方、能登町観光ガイドでは冬季営業時間を10:00~17:00と掲載しているため、訪問する季節によって営業時間が異なる可能性があります。
また、施設公式トップページと観光案内では一部サービスの営業状況に情報差が確認できるため、遊覧船や体験などを目的にする場合は訪問前に最新情報を確認するのがおすすめです。
「イカキングを見られるか」と「施設内のすべてのサービスを利用できるか」は同じではないため、レストランや遊覧船などを目的にする場合は個別の営業状況も確認しましょう。
なお、イカの駅つくモールについては公式観光情報の中でも「道の駅」という表現が使われる場合があります。
検索やカーナビでは、正式施設名である「のと九十九湾観光交流センター イカの駅つくモール」を使って確認するのが確実です。
2026年現在もイカキングへの訪問は可能な観光情報として案内されていますが、能登地域では復旧状況や季節によって営業情報が変わる可能性があるため、出発前の公式情報確認までを旅行計画に含めておきましょう。
まとめ|能登町のイカキングは2,500万円の整備費と約6億円の経済効果を正しく理解することが重要
能登町のイカキングは、コロナ交付金を使って作られた巨大モニュメントという話題だけでは、その実像を正確に理解できません。
設置目的、事業費、経済波及効果、震災後の状況まで数字の意味を分けて見ることで、イカキングが能登町でどのような役割を果たしてきたのかが見えてきます。
まず押さえておきたいのは、イカキングが能登町の特産であるイカをPRし、観光誘客や消費拡大につなげる目的で整備された観光施設だという点です。
| ポイント | 確認できる内容 |
|---|---|
| イカキングとは | 全長13m・幅9mの巨大スルメイカ型モニュメント |
| 設置目的 | イカのPR、消費拡大、観光誘客 |
| 総事業費 | 2,740万円 |
| 地方創生臨時交付金 | 2,500万円 |
| 経済波及効果 | 約6億円 |
| 広告・パブリシティ効果 | 約18億円 |
| 2026年現在 | 観光資源・地域ブランドとして活用が継続 |
総事業費は2,740万円で、そのうち2,500万円に新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金が使われました。
ただし、「2,500万円の巨大イカを購入した」と理解するのは正確ではなく、2,500万円は事業に充てられた交付金の額です。
さらに、能登町が公表した約6億円についても、イカキングが直接6億円を売り上げたという数字ではありません。
観光客の消費が飲食、宿泊、仕入れなどへ広がる影響を石川県産業連関表で分析した石川県内への経済波及効果です。
同じように約18億円の広告・パブリシティ効果も、現金収入ではなく、国内テレビでの露出を広告料金に換算した推計値です。
一方で、調査では「イカの駅つくモール」を訪れた人の約45%がイカキングを来訪目的として回答しており、モニュメント自体が観光客を呼ぶきっかけになったことを示すデータもあります。
2024年の能登半島地震では周辺施設が津波被害を受けましたが、その後は復旧が進み、2026年8月時点でもイカキングは能登町の公式観光情報に掲載されています。



もう町のシンボル、人気の観光名所になっていますね。
さらに2026年にはキャラクターデザインの活用も進められ、観光スポットだけでなく地域ブランドとしての展開も続いています。
イカキングを見るときに大切なのは、「税金で巨大イカを作った」という一部分だけで評価するのではなく、なぜ作られ、どのような効果が算定され、現在どう活用されているのかを書いてみました。








